vtuberを始めるとき、またはvtuberとしての活動が波に乗ってきたとき、事務所に所属するべきか悩む人は多いでしょう。
さまざまなバックアップのある事務所に所属するメリットは大きいですが、当然デメリットも存在します。
デメリットを把握せずに事務所に入ってしまうと、「こんなはずじゃなかった」という事態も引き起こしかねません。
本記事では、vtuberが事務所に入るメリットとデメリットを詳しく解説します。
企業勢を目指すべきか悩んでいる人は、参考にしてみてください。
vtuberの企業勢と個人勢とは?
vtuberは大きく企業勢と個人勢の2種類に分類されます。
企業勢とは、にじさんじやホロライブといったvtuberの事務所に所属しているvtuberで、兎田ぺこらさんや宝鍾マリンさんなど人気vtuberの多くは企業勢です。
事務所に所属すると、モデル作成や機材の貸し出しなどハード面での支援と、宣伝や活動のアドバイスなどソフト面での支援が受けられます。
個人勢とは事務所に所属せずにフリーで活動するvtuberです。
活動のペースや時間を調整しやすいため、副業で活動するvtuberの多くは個人勢です。
企業勢を目指しながら、まずは個人勢として配信の実績を積むvtuberも多くいます。
事務所(企業)に所属するメリット
vtuberが事務所に所属すると、人気になるためのさまざまな支援が受けられます。
企業勢vtuberのメリットを詳しく見ていきましょう。
経済的支援
vtuber活動にはお金がかかります。
いい機材を揃えようと思うと数十万円はかかりますし、モデル作成や編集を外注化すると更に費用は増えます。
事務所に所属すると高性能な機材を貸し出しや、プロにモデルを作成してもらえることも。
個人では手が出せないような機材や配信環境を整えてもらえることは、企業勢の大きなメリットです。
伸びやすい
企業勢vtuberは以下のような理由から個人勢よりも伸びやすいと言われています。
・事務所が宣伝してくれる
・人気vtuberとコラボできる
・箱推しと呼ばれるファンの存在
・伸びるためのノウハウがある
事務所の公式SNSで新人として紹介されると知名度が上がり、デビュー前からファン獲得も可能です。
箱推しと呼ばれる、事務所単位でのファンがついている場合は、その事務所に所属しているというだけで一定数のファンがつきます。
ほかにも同じ事務所に所属する人気vtuberとのコラボなど、知名度を一気に上げるチャンスが多いです。
また事務所には人気vtuberを育てるノウハウや相談に乗ってもらえるなど精神的なサポートも受けられます。
個人勢よりも環境が整っているため、vtuber自身も早く成長していけるのです。
仕事になる
ほとんどのvtuberは収益化できていないか、わずかな収益しか得られていません。
一方で事務所に所属して案件などを受けられるようになると、仕事として成立するだけの稼ぎが得られます。
個人勢でも案件を受けることは可能ですが、企業勢の場合は事務所にきた案件も受けられるため、チャンスが増えるのです。
人気がでるとグッズ化できる可能性もあり、仕事としてvtuberをしていきたいのであれば、事務所に所属するのがおすすめです。
事務所(企業)に所属するデメリット
経済的な支援や事務所からの宣伝と、本格的にvtuberをしたい人にはメリットが大きい企業勢ですが、デメリットももちろんあります。
企業勢のデメリットについても詳しく解説します。
制限・制約
vtuberの大きな魅力は、自分の好きなように活動できることです。
しかし事務所に所属すると、活動や発言が制限されてしまう可能性があります。
事務所の方針で活動内容を決められることや、イメージが悪くなるような発言は制限されるかもしれません。
事務所に所属すると事務所の方針に従うことが基本ですが、自分のやりたいこととのズレが大きくなるとvtuber活動を楽しめなくなる恐れがあります。
収益は分配
vtuberとして得た収益の1部は企業のものになります。
スパチャではもらえる金額が具体的にわかるため、より取り分の少なさを感じやすい傾向にあります。
しかし収益が得られるのも事務所の力が大きいため、そこは割り切る方がいいでしょう。
ノルマあり
事務所に入ると配信頻度についてのノルマが課せられます。
vtuber事務所のオーディション概要を確認すると「週3回以上配信ができる」などの条件がついていることがほとんどです。
仕事や学校があると、毎週3~4回も配信するのは調整が大変ですね。
また、疲れている場合や気分が乗らないときでも必ず配信をこなさなければいけないのは、なかなかきついものがあるでしょう。
事務所に入るには?
vtuberが事務所に入るルートは主に2つ。オーディションとスカウトです。
1年を通して大小さまざまな事務所がオーディションを開催しています。
ゲーム実況などジャンルが決まっていることや、年齢や活動歴に条件がある場合があるため、要項を確認して応募できそうなオーディションを探してみましょう。
オーディション以外でも、事務所の求人でvtuberの募集をしていることもあります。
vtuberオーディションは倍率が非常に高く、応募したからといって必ず事務所に入れるわけではありません。
オーディションに受かるコツはこちらで解説しています。
個人で人気がでると、事務所からスカウトが来ることもあります。
スカウトされる基準などはなく、スカウトを待つというのは現実的ではないため、事務所に入りたいときはオーディションを受ける方がいいでしょう。
個人勢のメリット
個人勢は、企業勢にはない自由さがメリットです。
個人勢のメリットを詳しく見ていきましょう。
活動内容が自由
個人勢は活動内容を自由に決められます。
ライブ配信やゲーム実況など、自分のやりたいことを配信できるため、企業勢よりも楽しむことにフォーカスできます。
楽しむことは、vtuberが継続するためにも大切なポイントです。
自分のペースでできる
個人勢は活動の頻度も時間も決まっていないため、自分のペースで無理なく活動できます。
副業や家事育児の合間で活動したいのであれば、自分のペースでできるのは魅力的なポイントといえるでしょう。
収益化の方法が自由
vtuberには複数の収益化の方法があります。
最もメジャーなのは、動画配信での広告収入とライブ配信のスパチャ(投げ銭)です。
とくにスパチャはvtuberと相性がよく、事務所としてはスパチャでの収益をメインにすることが多いようです。
個人勢の場合、一般的なvtuberの収益化方法にとらわれる必要はありません。
ライブ配信が苦手であれば、動画配信だけにしてもいいですし、自分の専門性を活かしたコンサルティングなど、収益化の方法は無数にあります。
個人勢のデメリット
1人で活動する個人勢ならではのデメリットについても紹介します。
金銭面
企業勢との大きな違いは金銭面での負担の大きさです。
企業勢が機材の貸し出しをしてくれるのに対して、個人勢はすべて自分で揃えなくてはいけません。
ハイスペックなPC、カメラ、マイク、と必要な機材は多く、3Dモデルの場合は更にVR機器が必要になるなど、費用は高くなります。
壊れた機材を買い直す費用を出せずに引退するvtuberもいるほど、金銭面での負担は大きいです。
すべて自分でやる
個人勢はモデル作成、動画編集、宣伝活動など、すべてを自分でこなす必要があります。
外注を活用するにしても、外注先を探したりやりとりをするのは当然自分ですし、費用も払わなければいけません。
ノウハウもなくすべて手探りでするのは、かなり大変ですね。
伸びるのに時間がかかる
個人勢と企業勢では宣伝の拡散力に大きな差があります。
企業勢は事務所の知名度や人気vtuberの力を借りられるため、一気に伸びる可能性が高いですが、個人勢は地道に少しずつファンを増やすしかありません。
伸びるまでの期間が長くなると、モチベーションの維持が難しく、vtuberをやめてしまう人も多くいます。
まとめ
vtuberの事務所に所属するメリットとデメリットについて紹介しました。
vtuberの事務所に入ると、金銭面での支援が受けられたり、人気がでやすいというメリットがあるものの活動などに制限があり、時間も縛られる覚悟は必要になります。
これまでを踏まえたうえで、以下に当てはまる人であれば事務所への所属を検討してみてもいいでしょう。
・vtuberを仕事にしたい
・活動の時間を確保できる
・活動が制限されることも理解できる
逆に、好きなことだけをしたい、自分のペースでやりたい、という人は個人勢としての活動がおすすめです。
事務所に入りたい場合でも、まずは実績が必要なので、個人勢として積極的に活動しながら企業勢を目指しましょう。